ファクタリングで資金繰り⇛銀行と業者

ファクタリングの申込みから契約→売買成立→入金までの流れ/ 銀行・リース会社とファクタリング会社の違い

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■はじめに
~銀行とファクタリング会社では取引する相手が違う!

 ▲銀行のファクタリングは「売掛金を支払う企業」が相手
  ファクタリング会社は「売掛金を支払ってもらう企業」が相手
  ・銀行のファクタリングとは?→「一括ファクタリング」がほとんど
   (銀行でも、ファクタリング会社と同じ形式の一般的なファクタリングを取り扱っ
ています。しかしながらこの項では、まず銀行における代表的なファクタリングで
ある「一括ファクタリング」について説明します。
その方がよりファクタリング会社との違いがわかりやすいと思うからです。
なお、一般的なファクタリングについては銀行・リース会社は同様なため、後述でファクタリング会社と比較して説明していきます)

   銀行は原則、売掛債務を有する自行取引先としかファクタリング取引をしません。
つまり銀行が相手するのは、融資取引のある売掛金の支払企業だけなのです。
銀行でファクタリングといえば上記を指します。
   そして銀行ではこれを「一括ファクタリング」と呼んでいます
   
  ・一括ファクタリング(支払企業の買掛金を一括で銀行が買い取る)
自行の取引先で売掛金の支払企業、しかも優良な先に限定して、支払事務負担の軽減  
を目的とする金融サービスのこと。(融資ではない)
①支払企業と銀行、納入企業(売掛金を支払うべき相手)の3社間で契約を結ぶ
②支払企業は買掛金額や支払時期などを、銀行所定の文書で納入企業に通知する
③支払企業は銀行に対し、納入企業ごとの支払明細にかかる情報を開示する
④納入企業は売掛債権を銀行に譲渡する(①で契約済み)→銀行が売掛金を一括買取
⑤支払期日に、銀行は納入企業に送金する。ただし、納入企業が希望する場合は、
手数料を差し引いて支払期日前に資金化することも可能。
   ⑥支払企業は、売掛金の支払期日に決済資金を銀行に支払う
   
繰り返しになりますが、銀行が相手にするのは、あくまで売掛金の支払企業です。
   一般的なファクタリングのように売掛金を保有している納入企業ではないのです。

銀行では、世間一般でいうところのファクタリングはほとんど取り扱っていません。
優良取引先に対する金融サービスとして、一括ファクタリングがあるだけなのです。上記で融資ではない、と書きましたが、実際銀行の現場では一括ファクタリングの契約書類は預金の申込書などと同じ位置づけで、融資契約書類ではありません。
   
一般的なファクタリングを扱う銀行はごく少数です。
また取り扱いがあっても、売掛金額が1億円以上とか、売掛金は診療報酬に限るなど非常に狭き門です。そして融資と同レベルの審査が必須となります。
銀行と融資取引中で、今後も融資を受けることが可能な企業であれば、そもそもファクタリングを検討することはないでしょう。
このことからも、銀行には一般的なファクタリングは無いといえるのです。

  ・一般的なファクタリングを取り扱う銀行・リース会社もあるが、3社間取引のみ   上記のように少数ではありますが、銀行・リース会社でも一般的なファクタリングの取り扱いはあります。契約はリスクを避けるために、3社間ファクタリングのみです。ここで出てきた3社間取引、そして相対する2社間取引等については、事項で詳しく説明していきます。
   

 ▲申込みから契約→売買成立→入金までの流れ
  ~銀行・リース会社とファクタリング会社の比較とメリット・デメリット
  
・申込みから契約まで
<銀行・リース会社の場合>
申込するのは?:納入企業
契約するのは?:3社→納入企業、支払企業、銀行・リース会社
<ファクタリング会社の場合>
申込するのは?:納入企業
契約するのは?:2社→納入企業、ファクタリング会社
 *3社間取引もありますが一般的ではありません。(理由は後述)

・売買成立まで
<銀行・リース会社の場合>
債権譲渡通知:必要
債権譲渡登記:不要
<ファクタリング会社の場合>
債権譲渡通知:不要
債権譲渡登記:必要
       ↓
*債権譲渡通知:債権を譲渡された者が、譲渡されたことを債務者に通知すること。
 ファクタリングでは債権は売掛金、譲渡された者は銀行やファクタリング会社
 債務者は支払企業を指す。通知は一般にFAX、文書、必要に応じて内容証明等
でおこなう。
   *債権譲渡登記:債権を譲渡された者が、譲渡されたことを保全するため第三者対抗要件を具備するために行う登記。
    ファクタリング会社が用いるもので、譲渡を受けた旨を登記することで、自分以外に同業へ譲渡(つまりは二重契約)された場合に備えた対抗手段のこと。
    銀行・リース会社では納入企業と支払企業双方の審査によりファクタリングを行うので、債権譲渡登記はしない。言い換えればそれくらい安全性が高い売掛金でなければ、銀行・リース会社はファクタリングしないということ。
      ↓
双方の違いについては後記:メリット、デメリットの項で詳細説明します。

・入金まで
<銀行・リース会社の場合>
入金までのフロー:審査し→審査が通れば→債権譲渡通知を支払企業に送付し→→納入企業の売掛金を買い取り→納入企業の口座に入金
入金までの時間: 審査が必要なので最短でも2週間~3週間
売掛金の期日支払:支払企業から銀行に支払われる(3社間で最初に契約済み)

<ファクタリング会社の場合>
入金までのフロー:銀行のような審査は無いので→債権譲渡登記をし→売掛金を買い取り→口座に入金
入金までの時間: 最短で即日
売掛金の期日支払:支払企業から納入企業に支払われる→入金された売掛金を納入企業がファクタリング会社に支払う

・メリット、デメリット
<銀行・リース会社の場合>
メリット:①宣伝効果がある
3社間取引なので納入企業支払企業双方とも契約を結ばなくてはな
りませんが、これがある意味非常に宣伝効果があるのです。
まず納入企業にしてみれば『銀行が買い取ってくれるのだから、この
会社の売掛金支払は問題ないだろう』と考えます。
支払企業にしても『銀行でファクタリングしてもらえたのだから、
この会社は大丈夫だろう』とむしろ好印象をあたえるのです。
言い換えれば、売掛金支払の安全性と納入企業の信用度を銀行が間
接的に保証していることになるのです。

     ②費用が安い
手数料は1~5%程度。その他に手数料はあっても少額
債権譲渡登記をしないので登記費用もかからない  
支払企業の信用度を充分吟味した上で買い取っているため、手数料
は低いものとなっている
  
デメリット:①審査がある→過去に融資を断わられたり、リスケ中はまずムリ
②時間がかかる

<ファクタリング会社の場合>
メリット:①審査は簡素
銀行で借りられない先でも原則OK
②取引相手(支払企業)にはわからない
銀行・リース会社と違い2社間取引なので、支払企業には債権譲渡通
知も含め原則連絡しない
つまり支払企業にファクタリングしていることを知られる可能性は
低い。その代わりとして債権譲渡登記をする。

デメリット:①費用が高い
手数料は10~30%程度。その他手数料も必要な場合がある。
特に債権譲渡登記費用が手数料に含まれない場合は、別途負担し
なければならない。
ファクタリングでは償還請求権がないノンリコースが一般的。
(償還請求権とは、ファクタリングの場合、買い取った売掛金が回収 
不能になった場合に納入企業に対して先に支払った金を返還請求
する権利のこと)
したがってファクタリング会社は支払企業が倒産した場合、売掛
金が回収不能になるリスクがある。そのリスクはファクタリング
会社が抱えることになるので手数料は上記のように高くなる。

②支払企業に知られる場合もある
債権譲渡登記をするので、登記を調べたりすればファクタリング
したことが支払企業にばれてしまうことがある。
万一こうした情報が相手に知られてしまった場合はどうなるか?
支払企業にしてみれば、自分に黙って売掛金を他人に売り飛ばさ
れたわけであり、当然信用は失われる。
またファクタリングしなければならないほど資金繰りに窮してい
ると(それが事実かどうかは別にして)見られてしまう。
このようにファクタリング会社での取り扱いは相手に知られるこ
とは可能な限り避けなければいけないということになります
したがって、ファクタリング会社で3社間取引をするケースは少
ないのです。(ファクタリング会社名義で債権譲渡通知が支払企業
に送られてしまうので)

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