運転資金借入 資金繰り融資審査の基礎知識

資金繰りのノウハウ/月次決算 経費の見直し 社長の仕事と集客 資金繰り

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資金繰りの前の必須の日常業務

資金調達に頼らなければならない時には、二つの特徴があります。一つは業績が好調で事業拡大のために運転資金の融資が必要になるというものです。そしてもう一つは資金繰りがうまく回らずに借入金に頼らなければ事業運営が停滞してしまう場合です。

当然のことながら前者の方が、前向きの融資であることに違いはありませんが、経営というものは自助努力だけではどうにもできない「風向き」という要素があります。この風向きを少しでも追い風にするための努力は、経営者を始め従業員一丸となって対処しなければなりません。

そして、融資などの借入に頼らないための日々の業務というものがあります。それは経営者が率先して毎日のお金の動きに対して目を光らせておくということです。どんなに小さなお金の動きもしっかりと見据えて見落としがないように対処する必要があるのです。

その手始めに経理伝票を毎日書き、経営者が経理的なチェックを怠らないようにすることがとても大事になります。

運転資金の融資で一番多いのが、業績の予測が経営者の予測と大幅にずれてしまったことです。これが重なるといくら資金調達をしても焼け石に水となっ てしまい、借入体質が抜けない事業になってしまいます。これを防ぐために経営予測を立て、その資料となる毎日の経理仕事は常に済ませておかなければならな いわけです。

もし個人事業主などで経理的な伝票が書けないとか専門的な知識がない、勘定科目が分からないということでしたら確定申告などもできる経理ソフトがあります。大変簡単に入力できるので経営分析にも活用してみましょう。

 

資金繰りのための月次決算をしよう

中小・零細企業といった小規模事業者の経営者にとって毎日の業務に加えて、繁雑な経理仕事をする手間や時間を確保するのは大変難しいかもしれませ ん。特に個人事業主ともなると個人や少人数で事業を営んでいるのでどうしても経理作業といった事務仕事は、おざなりになってしまう傾向があります。また、 外部の経理が分かる人や顧問税理士に経理仕事を任せたとしても、その結果をしっかりと分析して今後の経営や事業運営に役立てるということは難しいという環 境の経営者がいるかもしれません。

本業が忙しいというのは理解できますが、事業のため、そして自分自身のためにも月次決算ができる経営・事業環境を維持することは大切です。

月次決算を行うことによって次月の事業方針やどれだけ資金面にゆとりがあるかを把握することができます。月次決算結果によって運転資金の融資申し込 みや資金調達などの計画を立てることができますし、資金繰り面でゆとりができる予測が立てば、既存の借入金を繰り上げ返済して財務状況をより健全化させる ことも可能となります。

こうした好ましい効果を生み出すには、毎日の経理仕事や伝票書きから始まる月次決算というものを積極的に導入した方が良いのです。

もし経営者の方が月次決算の活用ができないということでしたら経営コンサルタントなどに月次決算の活用法を学べば良いでしょう。数字的結果を実際の経営に活かすということは、色々なコツというものが必要になるので、そうしたテクニックを専門家から学ぶのも一興です。

 

資金繰りのための経費の見直しをしよう

運転資金の融資を金融機関へ申し込む理由は様々な理由がありますが、そのうちの一つに経営環境の悪化による運転資金不足が挙げられます。そうした 際、事業の舵取りを借入で穴埋めをして資金繰りを乗り切ろうと短絡的に考えてしまったら、大変な結果に陥ってしまうかもしれません。例えば、その経営環境 の悪化が長期化するようだと新たに起こした借入金が底をついた時点で事業は最悪の事態を招くことになってしまうからです。

たとえ経営環境が長期化せずとも、融資などの借入を起こす状況になりかけているとしたら経費の使い方に果たして問題がないのかどうかを見直す作業が 必要になってきます。この見直しの作業が本来の経営者の舵取りであり、円滑な資金繰りのために最初に行わければならない作業です。

特に検証しなければならない項目は、固定費でも流動費でも一番多く流出している経費の部分です。

もし原材料費などにコストがかかっているようでしたら原材料費の検証が必要になってきます。また、人件費がかかり過ぎているようでしたら前向きなリストラが必要になるでしょう。

仮に融資を申し込むことになり、金融機関へ資金繰り表などを提出した時、必ず大きな経費の箇所にはチェックが入り、状況によっては希望金額を借入することができないかもしれません。経費の使い方で会社や事業の将来性を判断されてしまうことがあるのです。

資金調達は、最後の最後に取っておくという考え方も資金繰り改善のためには大切な手法です。

 

資金繰りは社長の仕事

会社や事業の資金繰りを考えるのは社長や代表者の仕事です。これは一見当たり前のように感じるかもしれませんが、中小・零細企業や個人事業主レベルになるとこの当たり前ができない経営者が多いのです。

これは特に創業社長に多いのですが、創業社長はその仕事に関する作業が好きで独立起業を始めた人が圧倒的に多いわけです。つまり事業や会社を経営することが好きなのではなく、その仕事をすることが本来好きなのです。

経営は事業や会社の舵取りをすることが仕事です。事業の現場仕事をすることも大事なのですが、事業や会社が円滑に稼働するには、舵取りの面、いわゆ るマネジメントの部分を強化させなければならないのです。そのためには、事業や会社のお金の流れをしっかりと見つめる作業である資金繰りの業務は必須とな ります。その結果を冷静に判断し、借入や資金調達の必要があれば、金融機関に運転資金の融資依頼をしなければなりません。この役割を担うのが社長の仕事な のです。

つい現場仕事に夢中になってしまうと、そうした事務的な仕事といった舵取りの仕事がおろそかになりがちです。創業者としてのこだわりや仕事のしかた などは譲れない部分があるかもしれませんが、その大事な事業、そして会社を手放すことにならないためにも日々のお金の動きの管理は、社長として経営者とし て大事な作業になってくるわけです。

もし、どうしても現場仕事を抜けられない事業環境でしたら、「番頭役」になってもらえるような優秀なマネジャーを雇う経営スタイルにしてみてはいかがでしょうか。

 

集客と資金繰りの関係

資金繰りが悪化している企業に共通して言えることが、集客活動が機能不全を起こしている可能性があるということです。極端な表現かもしれませんが、 事業は顧客がいれば何とかなるものです。しかしながら、その顧客を獲得できないということは、集客活動がうまく行っていない状態であり、その結果無駄な経 費や固定費ばかりが流出してしまう結果に至ることなのです。

もし、資金繰りが悪化していて運転資金の融資を金融機関に申し込み、めでたく新たな資金調達を達成できたとしても肝心な顧客がいなければ、再び運転資金の融資借入を申し込まなくてはならなくなります。

逆に集客がうまく行っている企業の場合、自己資金だけで事業の水平展開が可能となり、金融機関の方から「お金を借りてくれませんか」と借入の勧誘が来るでしょう。それだけ集客と資金繰りとは密接な関係があるのです。

特に小規模事業者やSOHOなどの事業レベルになると、経営者の仕事は取引先や顧客などの集客活動がその大半となります。別の表現をすれば、世の小規模事業者たちは、誰もが集客活動に頭を悩ませているという現実があるわけです。

ただでさえライバルがひしめくビジネス環境です。そのライバルたちも同様に手を替え品を替え顧客獲得に躍起になっているわけです。そう考えると、事業成功の鍵は資金繰りであり、資金繰りの鍵は集客活動ということにつながってきます。

経営者としては、事業の現場仕事と裏方の事務仕事の両立のバランスをどれだけ保てるかも重要な要素になるようです。

 

お金の原理原則を知ろう

経済環境の悪化や社会現象などが逆風となり、事業経営が思うように進まないということは常に起こっています。かつてのバブル経済期のように多くの業種が好景気に沸いていた時期もあれば、長引く不況の影響で大企業から小規模事業者までジリ貧になっている状態という時期もあります。

経済は大きなうねりが不規則な周期で襲ってきますが、下降傾向に入った時にこそ運転資金の融資や何かしらの形で資金を借入し、資金繰りを安定化させたいものですが、基本的には資金調達をしながらの会社経営には、大きなリスクが常に伴っているということを再認識しましょう。

お金には原理原則というものがあります。例えば、使ったら減り、使わなければ減らないというのは子供でも理解できるお金の原則です。資金難になり、資本や資金調達で会社を存続させるということは、収入と支出のバランスが崩れている状態であり、この原則を実際は理解していないということになります。こうしたケースでは、現在よりも収入を上げるか、現在よりも支出を下げるかしかないのです。これもまたお金の原理原則です。

その一方で、事業拡大のための設備投資や運転資金の融資といった資金調達は、短期間や計画的にその借入がカバーできる売上を確保しなければなりません。

事業経営をしているとどうしても事業に対して甘くなりがちです。厳しくしているつもりでも、資金調達に奔走している時になるとお金に対する認識の甘さがあったことを思い出します。

こうしたお金の原理原則を身体で覚えながら経営センスを磨き、覚えた教訓を資金繰りに反映させれば、融資は生き金として活躍してくれるでしょう。

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